コロナ渦の世情も何のその。明るく元気な我らが篠原涼子がCMに帰ってきた!
颯爽と踊りながら、あたかもミュージカルさながらにトレンチコートをひるがえし蝶のごとく舞う篠原涼子。
国民的アラフォー美女の起用でヒットを狙うこの商品の正体とは一体何か?
そしてそのコマーシャル戦略の背景には、商売敵同士の一騎打ちが見えてきたのだ。
なんとなく面白そうな様相を呈してきたぜ。
キーワードは500円だ。ますます謎じゃん。ではその一騎打ちとやらの実態と、篠原涼子を起用する狙いについて想像をたくましくしてみたよ。
続きを読んでね。
トレンチコートの篠原涼子
それはマクドナルドの新作CMだった。
春を感じさせるほど生き生きしたパフォーマンスで、あたかもそれはミュージカル要素を注入したかに思える演出のコマーシャル。ヒロインは我らが篠原涼子。アラフォークイーンだ。
やはり夫がミュージカル俳優の市村正親だけあって、切れが良く可愛い動きが魅せてくれるね。
夫婦仲は健在ですよといわんばかりの二人三脚を感じる。DAIGOのアルファベット頭文字の意味を北川景子が真似するよりさりげなくて好感が持てるじゃん。素敵!
このCMで篠原涼子が着用するトレンチコートのブランドは、アレキサンダーマックイーン。
同名のイギリスのファッションデザイナーが立ち上げたブランドで、型にはまらない自由な発想が売りのようだ。残念ながら、創設者本人は既に他界してしまったようだが、彼の意思をついで今も世界中で愛される商品を提供し続けているのだ。
残念ながら篠原涼子が着ていたのと同じ商品は見つからなかったが、類似品はありそうなので興味のある方はメーカーサイトをご覧になってみてはいかが?
話はそれたが本題に戻ろう。
マクドナルドが起死回生といわんばかりに篠原涼子をCM起用したのには訳がありそうだ。
それは「ハンバーガー500円戦争」である。
マックのライバル
いまやマクドナルドの独壇場を脅かす存在となったバーガーキング。
今年1月15日から28日にかけての2WEEK限定で、バーガーキングが仕掛けた戦略が「二個得キャンペーン」だ。
バーガーキングが自信を持つ3商品(スパイシーワッパーJr390円、照り焼きワッパーJr390円、ワッパーチーズ410円)のうちから2個選んで500円(税込)ポッキリで売るのだという。
オプションとして、二個得一回につきプラス300円税込で、フレンチフライMサイズとドリンクMサイズが買える企画を打ち出して来た。
この道の老舗としてマックも黙っちゃいられない。
1月6日から19日までのこちらも2週間限定で、通常690円のビッグマックセットを550円でを売っちゃう企画を打ち出した。
でもお得感があるのは、お値段だけ見るとバーガーキングに分があるようだ。しかもマックは消費税がつくが、バーガーキングはワンコインの500円ポッキリで勝負するのだ。
とはいっても知名度と味では定評のあるビッグマックだけに、セットで550円なら買いたい人は多いだろう。
うーん、この勝負甲乙つけがたいが、マックはダメ押しとばかりにCMで大物女優を登場させた。
それが篠原涼子だったからセンスとタイミングは抜群だ。ナイスマック!
CMタレントが篠原涼子だった訳は
これはあくまで筆者の独断と偏見なのだが聞いて欲しい。
以前のマックで登場したのはキムタクだった。中年男性の希望の星といって過言じゃない。
クールなナイスガイのキムタクが、こだわりのマックを欲しがるさまは、アラフィフ男性に勇気を与えた。
こんな風に気軽な感じでマックを買いに行くことが出来るのは若者に限った特権じゃないんだってね。
都心のお昼休みを使って(勇気を振り絞り)ちょっぴり薄くなった頭をかきながらアラフィフサラリーマンがマックを買いに行くのだが、実際はCMと違って少し違和感を感じ尻込みしてしまう男性が多かったように感じる。
そりゃそうだ。みんながキムタクみたいにかっこよくクールな風貌じゃあないんだ。
中には疲労感で満ち溢れたクタクタセニョールもいただろう。そんな御仁が「ビッグマックセットひとつ」なんて注文した場合、余計に哀愁が漂っちゃうのだと思うよ。
折しも世情はコロナ渦で全てが自粛ムードだ。イートインスペースを活用するのもためらうご時世だろう。
だったらせめて春らしくウキウキとしたイメージで、安くておいしいサラリーマンの味方ビッグマックセットをより安価で売り進めようと、明るいキャラクターをCMに登場させることとしたのだろう。
おりしもライバル会社と戦うキーワードが500円戦争だ。期間限定といえども手抜きは出来ない。
相手がお値段で勝負ならこちらは味とイメージで戦うのみ、といわんばかりに我らが誇る妖精スター篠原涼子を使って踊らせそして宙を舞わせる粋な演出。さすがはマクドナルド、かけるべきところにお金をかけるのだ。
しかし、いずれのバーガーを購入したにしても、不況の真っただ中にあらわれた救世主的キャンペーンには違いない。
CMで無邪気に踊る篠原涼子も見ていて楽しいし、沈んだ空気の世情に一石を投じた良いCMだと感じたね。
エピローグ
CMで女優さんが活躍すると、真っ先に問い合わせが来るのが着用ファッションだろう。
今回は篠原涼子が着用したトレンチコートに話題が集中したようだが、肝心かなめのCMは500円ハンバーガーセットだった。
この背景にはマクドナルドとバーガーキングのがち勝負が見え隠れする事がわかった。
イメージ一新でマックは篠原涼子を登用した。結果は大当たりで可愛い、おいしそうと評判は上々だ。
でもよく考えて欲しい。踊って跳ねて宙を舞う篠原涼子が高カロリーのハンバーガーを毎度食うわけないじゃん。たまには食べるかも知れないけれどね。
だからCMにはイメージキャラクターとして女優を登場させるが、あくまでイメージだということを忘れちゃだめだ。
CMに踊らされて毎日ハンバーガーをひと月食べてたら高脂血症になっちゃうし血圧も上がるだろう。
時々食べるのがおいしい、それがジャンクフードだと肝に銘じておこう。