本物の古時計を購入するときの見極めポイントは?アンティークを堪能したいなら偽物は避けよう

2019年12月29日

お気に入りの古時計、あるいは今まさに気に入って購入しようとしている古時計はオリジナルのままの価値あるコンディションでしょうか?

本物といえる状態かどうか、すぐに見極めることができるポイントを公開しますので、最終的に買うべきか、それとも避けるべきかこれからご説明するさまざまな視点を基準に判断してゆきましょう。

オリジナルのコンディションってどういう状態?

オリジナルコンディションの古時計とはいうまでもなく、製造当時のまま交換パーツがなく、健全な姿形で動作可能な状態を指します。

但し、100年以上動き続けてきた時計には何らかの修理交換が行われてきたことは容易に想像できます。問題は、時計のどこが交換されたか、そしてその交換箇所を、本物の時計と評価するために容認できるかどうか、購入に値するかが重要な見極めポイントです。

ゼンマイ交換について

しかし、長い年月休まず動いてきた140年前の古時計ともなれば一度くらいゼンマイ切れを起こし交換したことはあると思われます。 ゼンマイは消耗パーツなので交換されても価値が落ちることはないでしょう。

しかしストイックなコレクターは製造当時のものでなければ本物と認めない人もいますので、これについては個人の価値観で意見が分かれるかと感じます。また、交換したかどうかの見極めは相当難しいと思います。

ちなみに筆者にとってゼンマイは切れたとしても交換されれば、なにら問題なく購入するには差し支えありません。

文字盤の賛否

筆者の個人的意見ですが、古時計の顔である文字盤の交換は、使い手が見る行為として最も頻度が多く、時計の個性として印象に深く残る部分ですので賛成できませんね。オリジナルに忠実な複製の文字盤のなら、当時の雰囲気を壊さないし良いと思いますが、全く別のデザインの文字盤に交換されたら偽物ととして敬遠し購入はしません。

古時計の文字盤交換品については偽物として拒絶するひとも多いと思います。

後付けの文字盤をみて時代を感じ当時に想いをはせることは到底出来ないし、全く関連のないパーツに交換された場合には、寄せ集めによる営利目的の販売品として悪意さえ感じるのです。

これは本物ではなく明らかに偽物です。本物かどうかの見極めは古時計画像の資料を頼りにある程度可能です。

ゼンマイと文字盤の交換を例にとりましたが、ゼンマイのように、時計の部位によっては交換してもやむを得ない、むしろメカ物として楽しむには交換も良しとする意見もあります。反対に文字盤のデザインが違うような仕様変更品には、絶対交換してほしくない部分も多く存在します。

あくまで部品交換の賛否は、人によって意見が別れ統一見解ではないのですが、消耗も止む無しの部位交換品は、本物として扱うことを認めるべきではないでしょうか。見極めが容易に出来る部分は、外観上の違和感を感じやすく購入をためらうことはごく自然に選択されると筆者は思います。

但し、古時計趣味開始の当時は、どの時計も美しく感じてしまいがちですので、写真資料をよく観察した上で冷静に見極めをしましょう。判断がつかないときは一旦諦めて勉強し、出直すのも選択肢です。

真贋のチェックポイント

扉ガラス

古時計のうち明治時代初期のもので船時計というジャンルがあります。

機械構造は振り子式ではなく、汽車など揺れたりする乗り物で使用される時計はテンプ式時計(テンプとは時間の速さを調整する機構。非常に細いヒゲゼンマイが伸び縮みを繰り返し調速する。時計の姿勢によって停止したりしない仕組み)ですが、この船時計については文字盤ガラスを光にかざすと歪んでいるものが結構あり、それは本物です。見極める重要なポイントですね。

古時計は、ガラスの加工方法が現代と違い、当時遠心力を利用して伸ばす技法でしたので均一には伸びず歪みが生じるのです。これは交換されていないオリジナルの証しです。購入しても失敗はないでしょう。

例えば、古民家の廊下などに使ってあるガラスを見て何かゆがんているぞと思ったことありませんか?あれが正に古いガラスです。

古いテンプ式時計のガラスが、歪みのないものなら疑ってみるべきですね。

ねじ

古時計のガラス扉を開けますと、文字盤がねじで固定されています。

古時計の文字盤は、時計本体に固定されているねじ穴以外に、複数空洞があれば本物ではない可能性が大きいです。なぜなら、無理やり違う文字盤を取り付ける為に、時計側に合わせて余分にねじ穴を開けた結果だからです。ですから、文字盤に不要な穴があるものは購入すべきではありません。

普通は4か所あり、全てねじで埋まっているはずです。余分な穴の有無は見極めやすいポイントですね。

文字盤の淵と本体は4か所のねじ(1~2時の間、4~5時の間、7~8時の間、10~11時の間にある文字盤土台の端部分)で固定され、余計なねじ穴がないオリジナル品

またこの固定ねじは皿ねじでマイナスねじです。プラスねじはこの時代あり得ません。ねじは錆びているのが本物です。ステンレス製というのもあり得ません。これも古時計のセオリー。見極めし購入に至るまでの大事なところです。

文字盤を固定するマイナスねじは鉄製で錆があることが本物の証(画面中央下)

巻き鍵

一番厄介なのが巻き鍵です。本物(オリジナル)か否かの見極めは大変難しいです。製造当時の資料が殆どなく、アメリカなど外国の資料を首っ引きで調べても判然としないことが殆どと思います。

筆者は巻き鍵のオリジナル性にはそれほどこだわっていません。こだわっても真贋は難しいですし、違うものが付属することも多いです。実使用には問題ありませんし筆者は容認し購入しています。

しかし稀に、メーカーの名前が刻印された巻き鍵が存在するので、この場合は時計と一致すれば良しとしていいでしょう。但し、無名が殆どですので刻印ありの期待はできません。

ラベル

古時計のラベルは主に振り子室の背面、または時計本体の背板裏側に時計の由来を記したラベルが貼ってあります。

これによって古時計の製造年代、メーカー名、産地その他を知る手掛かりになるので、コレクターはこれを重要視します。

これは本物の見極めというよりむしろ由来を示すものですのでしっかりチェックし、後日図書館などで調査する購入後の楽しみのひとつですね。

合体もの

合体ものとは、文字通りで古時計の寄せ集め品です。ガラクタを寄せ集め、それらしくまとめたものが少なからずあります。

筆者も購入後に見抜けなかったことを後悔した時計があります。金泥で装飾した振り子室ガラスの絵が違うものがひとつ、そしてもうひとつは本来装飾ガラスのはずが無地ガラスであったことを気づけなかったことです。筆者の失敗例です。偽物ゆえに早々に処分してしまいました。画像がなくてすみません。

また珍しい意匠のケースにありがちなのが、機械は全く別のメーカーだったり、本来の長針短針のデザインのものでなかったりというものでよくあるケースです。こうしたケースでは、事前にその時計の本物(オリジナル)仕様を熟知していなければ見極めできないこともありますので写真集などで記憶しておくのもいいでしょう。安心して購入するための知識となります。

古時計の針については、文字盤の秒の書き込みのところまで長針が届いているものが本物の証しという記事が専門誌にあったのを記憶しています。古時計の長針の短いものは先ず付け替え品でしょう。見極めポイントとして重要です。購入は避けましょう。

長針の先端が文字盤の秒の書き込みまで届いている。オリジナルの針の証。

まとめ

本物の古時計かどうか、ガラス、ねじ、巻き鍵、針などの見極めポイントを一緒に見てきましたが頭の片隅に記憶されて頂ければ必ず購入時に役に立つと思います。

そして最終的な判断で、時計全体のトータルとしての違和感を感じたときは購入を避けるのが筆者の経験上無難と感じます。

本当に欲しい時計については、事前に写真集などで頭に詳細を叩き込んでおくことが本物を見極め購入するために大事な準備とも思います。

最後に、骨董市などで良いものを見つけ、本物かどうか見極めをする際には、店主に必ず触ってもいいですかとことわりを入れるのが,露店という場所柄のトラブルを回避する鉄則ですのでひとことお願いをしてからチェックしましょう。購入する際の、売り手買い手双方が納得するためのルールと心得ましょう。

いかがでしたか?古時計買い付けの本業の方々のような細かい知識をご紹介するには至りませんが、皆さんが本当に古時計が好きで自分用に本物を購入する見極めとしては十分参考になると自負します。

古時計を趣味とする多くの若い方、あるいはちょっと気になるから一つ手に入れたいという人にはとても楽しめる、重要なポイントであると思いますので是非記憶されてからお出かけ下さい。