沢口靖子の透明感溢れるイメージはCMに起用にするのに持ってこいの雰囲気だろう。
いっときは、その清楚なキャラクターを崩して関西のおばちゃん丸出しが大うけした「タンスにゴンゴン」のCMは特異な例だが、基本はやはり透明感溢れるエレガントな女性像が売りだ。
そんな沢口が、ずうーっとご縁を保ち続けるCMがあることをご存じだろうか?
こういった長寿コマーシャルはある意味日本独特の現象なのかもしれないが、俳優中井貴一が登場する「
ミキプルーン」のCMも沢口のそれと同じく大変な長寿CMと言われている。
このほかにも長寿CMの例はあるかもしれないが、沢口靖子のCM継続期間は奇跡に近い記録といえそうだ。
そのCMとは一体どんなものなのか?そして長寿の秘密とは何なのか?
ベテラン女優が続けているコマーシャルの真相に迫ってみたい。
そして、沢口靖子のプライベートな部分についても少し探ってみよう。
彼女がまだ若かりし頃の1991年放送ドラマ「ホテルウーマン」はサスペンスものだったが、沢口扮する主人公のキャラクターは、今思えば女優沢口靖子とは真逆な運命を辿る設定だが、秘めた想いという部分ではもしかしたら共通しているかも知れない。
今回はこの「ホテルウーマン」を思い出しながら、現実の沢口靖子がどういった人生を歩んできたのか、一部想像を交えながらだが考察してみたいと思う。
沢口靖子ファンなら是非とも核心をついた推論を求めたいところだろう。そうしたファンの意向に沿えるかどうかわからないが、どうか最後までご一読いただきたい。
沢口靖子の長寿CM
沢口靖子がオファーを受けたそのCMは1988年がはじまりの年だった。彼女の年齢が23歳のときだったから一番輝いていた頃の出来事だった。
スポンサーはヤマザキナビスコ。お菓子の名称はあの有名なリッツだ。
沢口持ち前のイメージである爽やかで清楚なお嬢様が、お友達を招いてリッツパーティーを催すストーリー仕立てのコマーシャルだったが、これが大うけ!
リッツのトッピングには生ハムチーズや数々のフルーツ、チョコやジャムなど見ているだけで華やかな気分になる。明るく上品に振る舞う沢口靖子を中心に大勢のお友達が楽しそうな雰囲気で場を盛り上げている。
あー、私も沢口靖子になってリッツパーティーを開きたいな…。そんな妄想を描いた視聴者は数知れず。
そう、リッツパーティーという造語は、広く一般に浸透したほどだった。
おかげさまでフードアレンジの幅が広いリッツクラッカーは、瞬く間にトップセラーとなったのだ。
もともとリッツは海外で生まれ、アメリカやヨーロッパなどではかなりメジャーなお菓子だったが、日本に上陸し、CMに沢口靖子を起用したことで、彼女の華やかさが商品のイメージをアップすることに貢献し大成功となったのだ。
しかし、成功の要因はそれだけではない。沢口靖子本人の真面目な人柄、そして作りものじゃない本物の気品が彼女自身に備わっていたことが大きなポイントだろう。
その証拠に、リッツのCMは2016年までなんと28年間続いたのだ。しかもCM終了の理由は彼女の側にあるわけではなかった。
ナビスコ本社とヤマザキとのブランドライセンス契約が終了したことで、リッツ自体の製造が日本で中止となったためだ。
そうした理由が原因の降板だったから、ライセンス契約が続行されていれば今でもリッツのCMは沢口靖子が行っていたに違いないのだ。
そう!ヤマザキと沢口靖子の間には、深い信頼関係が28年の間で築かれていて、リッツに続く新製品「ルヴァンプライム」は沢口靖子がCMすることになったのである。だから実質上の契約続行だったのだ。
ヤマザキのCMではほかに、チップスターを木村佳乃が、そしてノアールを広瀬アリスが担当しているが、中心的役割を果たしているのは他ならぬ沢口靖子その人なのだ。
28年間同じCMを継続し、更に新製品まで引継ぎ今に至る努力は相当なもので、スキャンダルや色恋沙汰を起こせば即契約打ち切りで賠償金問題に発展しがちな現代にあって、一点の曇りもない彼女の真面目さや人柄の良さには脱帽する。
とはいっても沢口靖子だって人の子だ。好きな人が全くいない訳ではないはず。
そこで沢口のプライベートな部分を探ってゆくと、ほんのりロマンスのシルエットが見えてきたのだ。
しかしここでは、沢口靖子のプライベートな恋愛部分を説明する前に、沢口本人とはちょっぴり違うキャラクターを演じたドラマ「ホテルウーマン」を思い出したら、行動自体は沢口にはあり得ないものの、心情的には共通するキャラクターなのかなと感じたので併せて紹介したい。
「ホテルウーマン」のキャラクター
1996年放送のドラマ「ホテルウーマン」は沢口26歳の頃の作品だ。
妻を別に持つ恋人がある日突然自殺してしまう。その彼の子供を宿したまま、ホテルウーマンの採用試験をうける沢口扮する未婚の母なのだが、恋人の妻に妊娠を知られてしまい憎しみを受けるはめに…。
サスペンスドラマではあるのだが、注目すべき点は不倫のあげく妊娠してしまう主人公だ。沢口自身はとても身持ちの固い女優さんであるし、現実にはあり得ないのだが、誰にも言えない内に秘めた恋心といった点ではどうだろう。
お菓子のCMで魅せた華やかで清楚な女性像は、あくまで潔癖そのもののキャラだが、そのじつ、沢口靖子にも隠されたロマンスがあったかもしれない。
沢口靖子のロマンス
沢口靖子は大阪府堺市の出身で、地元では高校時代にもその美貌は有名で、かなりのファンがいたそうだ。
他校の男子が結成した親衛隊まで存在したとのこと。そんな話を聞いても、50代になった沢口の美しさを見る限り、疑う余地などないのだが。
彼女は言う。「結婚願望は無いです。」その言葉通り、芸能人やスポーツ選手などと浮いた噂は聞いたことがないのだが、唯一例外が存在した。
西武鉄道グループの元オーナー、堤義明氏との関係だ。きっかけは、彼女が所属する東宝の相談役が堤氏との仲を取り持ったといわれているが定かではない。しかし、堤氏と沢口が二人っきりでいるのを、軽井沢のゴルフ場で目撃したという複数の情報があるから、あながち噂話ではないようだ。
業界内では「公然の秘密」とされてきた仲だから信憑性は高いと考える。しかし、二人の年の差は親子ほどあり、本当に恋仲か?と疑ってしまう人も多いだろう。堤氏は御年85歳、沢口55歳だから30歳差である。
まあ、世間ではこのくらいの年の差カップルはザラにいるよと言われればそれまでだが、いままでこの話がおおぴらにならなかったのは、ひとえに堤氏の莫大な権力と財力による口止めだと思われる。
それでも、沢口靖子が偲びに忍んで恋心をひた隠す努力があってこそのシークレットといえそうだ。
「ホテルウーマン」の主人公と共通するのは秘めた恋心の部分だった。しかし沢口靖子は女優として一本筋の通った人だと分かった。表向きはお菓子のCMをロングランで続ける清楚かつ潔癖なタレント。
でも、やっぱり本心は燃えるような恋心を抱く一途な女性だと信じたい。その方が一人の人間として愛されキャラを感じられるし、女優としてもっと好きになれる人だと痛感したのだ。
これからも沢口靖子は、永く愛される女優であることに間違いはないし我々ファンの信頼を裏切る行為もないと確信する。でも恋には正直になって構わないので、どうか後悔のないように生きて欲しいと願うばかりだ。
エピローグ
ヤマザキのお菓子のCMで築かれた、スポンサーと沢口靖子との固い絆はこれからも永く続くことだろう。
28年はひとつの商品を宣伝するピリオドに過ぎなかったし、新製品によって契約は今でも続いている。
これは凄いことだ。28年間スキャンダルひとつ起こさなかった沢口の真面目さ、誠実さは脱帽ものだろう。
しかし、沢口靖子だって一人の女性だ。公然の秘密と言われた彼と素直に向き合いたい気持ちはわかる。
彼との関係を深めることの弊害として色んな壁が立ちふさがることも予想できる。許されざる行為とののしる輩も出るだろう。それだからこそ今まで偲んで偲んで耐えてきた沢口を考えると胸が痛い。
何とか彼女の気持ちを解放してあげるすべはないのだろうか?
我々ファンが出来ることと言えば、せめて彼女を取り巻く恋愛状況を理解し、そっとしておいてあげること以外にはないのだが…。