大人気の古掛時計「寄木四つ丸」が熱い!需要が多すぎていつも品薄なマニアあこがれの的

2019年12月29日

異なる木材の色違いを利用し、自然なコントラストを生かした寄木細工の四つ丸古時計、不動の人気を誇りマニアも憧れるコレクターズアイテムをご紹介します。

その愛らしさ、美しさ、ユニークさは比類なきものであり、見るものを虜にしてしまう魔性のアンティークが今、熱い視線を浴びています。需要と供給のバランスはいつの時代も崩れっぱなしの大人気古時計「寄木四つ丸」の魅力を紐解いて参りましょう。

どんな形の時計?

円形を四つ配した掛時計(上下に大きい丸、左右に小さな飾り丸)を四つ丸時計と総称しますが、寄木四つ丸はその中のひとつの種類になります。名前の通り色違いの寄木細工で彩られ、マニアにはもちろん、今は若者たちの間でひそかに注目される熱い存在です。特に大人気なのはアメリカ イングラハム社製の、寄木四つ丸時計です。

寄木四つ丸時計に貼られたラベルにはIONIC(アイオニック)とモデル名が印刷されています。ギリシア時代のイオニア彫刻がネーミングの由来といわれます。一般的な文字盤サイズは10インチであり、大きすぎず小さすぎず日本の家庭に飾っても邪魔にならないお手頃サイズであります。

ラベルの拡大写真。中央の白抜き部分には、IONIC(アイオニック)の文字がかろうじて確認出来る。ラベルの劣化が酷いが140年前の物なので、解読出来るだけ幸運である。

では具体的に寄木四つ丸とはどんな時計でしょうか?ご存じない方もおられると思いますので以下に詳しく説明してゆきます。

寄木四つ丸時計とは?

左右の小さい円は4等分。上下の円はそれぞれ8等分の寄木になっている。筆者所有の寄木四つ丸はコントラストがそれほどはっきりしていないが、はっきりした時計は値段も高いのだ。

具体的に寄木四つ丸時計をご説明しますと、ボディーは木製であり、文字盤のガラス枠、振り子室のガラス枠はおのおの八等分、左右の飾り丸は四等分の寄木で構成され、交互に色の違う天然木を配し、そのコントラストと風合いを楽しむ意匠であります。

細工が細かい!明治時代の時計は手間をかけて丁寧に仕上げているのが素晴らしい。現代の物づくりではコストが合わず無理でしょうね。

寄木四つ丸時計は、別称ゼブラとも呼ばれますが、その由来は、この交互のコントラストがシマウマのように見えるからだと思われます。

針の紹介です。長針短針は別名ハンドと呼びます。種類はひとつではなく、同じ寄木四つ丸でも異なる種類の針が存在します。有名なハンドはブレゲ針(ドーナツ状の円が付くもの)と画像の十字状のものです。バリエーションが複数存在するって、コレクターの心を鷲掴みにしますよね。

寄木四つ丸時計は1870年代に製造され、特に日本人の要望によって、その多くが横浜港経由で輸入されたモデルです。一般的に多いのは茶色単色の漆塗りバージョンですが、寄木四つ丸は数が元々少なく希少なのです。ゆえにいつの時代も大人気であり熱い存在となるのでしょう。

愛される訳 入手困難な理由

優れた意匠

寄木四つ丸は、そのアンティーク然としたトータルデザインと、色褪せない寄木のコントラストの色彩で、古色とモダンが入り混じった飽きのこない外観であることが先ず人の心を惹きつける魅力といえるでしょう。

厳しい市場在庫

しかし寄木四つ丸時計は、時代を重ねる中、破損や焼失などで幾つかを失い、絶対数は徐々に減少してきました。ゆえに現存数は大変少なく、令和の今では欲しくても簡単に手に入らない代物となってしまいました。

需要と供給のバランスが崩れた

寄木四つ丸は、大人気ゆえに需要が多すぎるのですが、絶対数が少ないことに加え年々コンディションの良いものが減っているため供給数がほんの僅かであることが希少性を増している要因です。

また、寄木四つ丸を手に入れた人は、簡単には手放さないことも市場枯渇の一因であると考えます。熱い視線は集まるのに品物は目にすることが出来ないジレンマは求める人の心情としてあり、やがて熱い思いに変わってゆくのではないでしょうか。

昨今の静かなるブーム

寄木四つ丸の枯渇現象に加え、近年若者の間で密かに古時計ブームが発生し、これらの要因が重なってあこがれの的となり、大人気の熱い存在になってしまったことがレアモデル(入手困難)としての位置づけの理由です。

筆者の寄木四つ丸時計を入手した経緯ですが、当初はもっと簡単に手に入ると高を括っていました。しかし、骨董屋さんはじめあちらこちらに声を掛けて探してみたものの、結局手に入ったのは7年後でした。

もちろん、その途中では何度か寄木四つ丸時計は見つかりましたが、異常な高値(はっきりしたコントラストの品は定価25万円)だったり、傷が多い、文字盤が汚すぎるなどコンディションが悪かったりで納得できる条件のものがなかったのです。

そんなある日、馴染みの蚤の市に出かけた際、歩いている後ろから声を掛けられました。「探しているゼブラがあるよ。店に寄っていってちょうだい。」捜索の依頼をしていた店主のひとりがその店にたどり着く前に取り置きしてくれていたのです。

大人気の時計です。取り置きしないとすぐ売れてしまう。店主の心遣いに深く感謝しました。筆者は嬉しかったのと、早く見たい焦りの気持ちが入り混じり思わず走り出していました。

そしていざ対面。やっと会えましたね、これが素直な第一印象でした。もう、可愛くってしょうがない。寄木四つ丸に対する熱い思いが沸き上がってきました。けなげに動くその姿にひとめぼれでした。

余談ですが、寄木のコントラストがはっきりしているものはそれなりに高い値段となります。前述の25万円の値段も良いものでは当然といえるかもしれません。

筆者のものは近づくと違いはわかるものの、コントラストはそれほど明瞭ではありません。しかし、当時のまま交換部品もなくオリジナル状態で傷も少なく健全なので満足しています。お値段も蚤の市にて4万円で購入しました。

時打ちのボンの音色も深みがあり、古老のささやきを感じます。

筆者が寄木四つ丸時計を入手するまでの待ち時間は想像以上に永く、我が物とした頃にはすっかりおじさんになってしまいました。しかし熱い心で粘り強く馴染みの店主さんにお願いをして、7年間辛抱を重ねて待つモチベーションを保てたからこそ巡りあえたと思っています。読者の皆さんも、興味がおありなら是非、大人気の「寄木四つ丸時計」を探されてみてはいかがでしょうか。

まとめ

寄木四つ丸時計とは、アメリカ イングラハム社で作られ、ほぼ日本人の好みとしてオーダーされ、その殆どが日本に輸入されました。その優れた意匠、明治の日本人の美意識が現代人の心の琴線に触れ、いにしえの時への憧れも相まって大人気となり、熱い視線が集中していると考えられます。

殆どが輸入されたと説明しましたが、その製作本数は大変少なく、日本に集中し現存していますが、最近は更に若い人を中心に静かな古時計ブームが起き、欲しい人が多すぎて市場はいつも枯渇している状態です。

それでも寄木四つ丸古時計の魅力に取りつかれてしまった人達は、半ば順番待ちを承知で手に入れるその日を夢見て止まないのであります。

モダンな意匠で古臭さを感じない時計ですが、威厳を漂わせる風格を持ちわせる美しい古時計です。今、大人気の熱い古時計。是非、読者の皆さんも寄木四つ丸時計の魅力にはまって下さい。