東大卒で美人な菊川怜が出演している便秘薬のCMは当たりだ。
何故か説得力があり、便秘の人は試したくなる上手な作りのCMになっている。酸化マグネシウムなんていうバケガクな響きも「お、効きそうじゃん!」てな気持ちになるから不思議だ。
CMってのは、供給する品物のイメージに合ったキャラクターを起用するのが常道であろうが、このCMに限ってはまさに常道中の常道という感じがする。
世間の人々が抱く菊川怜への誠実でインテリジェンスなイメージが先行し、「ああ、この人の言うことなら間違いない。」と思い込ませる効果が絶大だと感じるのだ。
かつて日本でもブームになった実演販売や、ガマの油売りの口上にも似たような効果があるかも知れない。余程のへそ曲がりじゃなければ菊川怜のCMでのひとことに頷いてしまうだろう。
ところが、おおよその人々と相反するひねくれものやへそ曲がりは必ず世の中に存在する。インテリジェンスとか博学なイメージを真っ向から疑い批判し、いじめ等しくいじくりまわすやからだ。
ちょっと以前のエピソードだが、希代のひねくれ芸能人の有吉が菊川怜を号泣させてしまったらしい。しかもバラエティー番組の中で、司会進行の加藤浩次をも巻き込んでの騒動だったから始末に悪い。
ことの顛末と現在の彼らの関係など詳しく追ってみたので是非ご覧頂きたい。
菊川怜CMでの説得力
前述した実演販売にも共通する部分があるが、CMでの菊川怜の口調や話すリズムがまさにそれだ。
ちょっぴり早口でたたみかけるようなリズムの口調は、まるでミシンの針を運ぶ音のようだ。
「便秘薬には刺激性と非刺激性があります。酸化マグネシウムはお腹が痛くなりにくい、くせになりにくい。5歳から飲めます。」たったこれだけの文言を、インテリな菊川怜が軽い口調でテキパキと説明するだけなのだが、「なるほど、じゃあ試してみようかな?」って思っちゃう視聴者はきっと多いはずだ。
しかしながら世間を斜めに見る癖を持ち、何事もひねくれた解釈をしないとおさまらない妙な連中もいる。こうした人たちはCMで紹介する商品なんか絶対買わないだろう。タレントの有吉が正にそれだ。
かつてTBS系バラエティー番組「悪魔の契約にサイン」に出演した菊川怜を怒らせ泣かせてしまい、間に入った司会の加藤浩次をも大いに慌てさせた事件があったのだ。
あだ名事件
有吉弘行は若い頃、猿岩石というコンビ名で売れない芸人をやっていた頃があった。海外にヒッチハイクの旅に出て極貧の旅の末、ゴールインするも、その後は鳴かず飛ばずの不遇な日々が続く。
そんな厳しい芸能界の底辺から這いつくばって毒舌汚れキャラを武器に復活した経緯をもつ有吉は、ほかの芸能人をいじってネタにするのが常になっていた。
例えば山田五郎氏の髪型を見て「筆らっきょ」とあだ名をつけ大うけしたり、その他大勢のタレントに対してもあだ名をつけていじるのが好評を博した時期があった。
菊川怜に対しても、そうした延長線上の行為としてあだ名をつけたのだが、生来真面目な菊川怜はそうしたことへの免疫力が弱かった。また、頭脳明晰な彼女をからかう人も今まで存在しなかったのだろう。
有吉が彼女につけたあだ名、それは「高学歴アンパンマン」「イキ遅れ」「人生ラストチャンス」。
はた目には面白い。なかなかのアイデアマンだ。いじくりセンスは一流かもしれない。
前述の山田五郎氏は、あだ名をつけられた時、自ら大うけしていた。笑って聞き流す、大人対応だ。自分がいじられてることを楽しんでいる節も見受けられる。バラエティー出演の基本はそうでなければいけない。でないとお茶の間の視聴者は違和感を感じ、番組内で本気に揉めているのかと笑い事じゃ済まされないことになるだろう。
有吉の毒舌は承知の上で共演すべきなのだ。可哀そうなのは司会として間に入った加藤浩次だ。
番組終了後、有吉を連れて菊川の楽屋に謝りに行かされる始末だったという。しかし、その場面でも有吉に反省の色はなく、ニタニタと笑っているのを見て再び菊川怜は泣き出すのだった。
笑う方も笑う方だが、泣く方も泣く方だ。可哀そうな加藤浩次。
月日は流れて
悪夢の出来事から9年後の2017年、菊川怜は一般人と結婚した。一般人といっても総資産200億円超えといわれる辣腕事業家である。この時、菊川怜39歳。そしてその2年後、第一子を授かるという幸せな日々が続いた。
ところがこの夫、菊川が知らない婚外子が4人も存在したのである。いい事ばかりは続かないのが人生かも知れない。有り余る財産の持ち主だからどこかに欠点はないのかと、結婚前にもっと疑ってみても良かったと思うが、育ちのいい菊川怜は夫を疑うことすら念頭になかったのだろう。無垢な人だ。
おそらく幸せな日々から一転、奈落の底に突き落とされた気分だったろう。可哀そうに。
結婚発表の時、フジテレビが用意したくす玉の垂れ幕には「祝 脱独身」と書かれていた。
これを目にした視聴者の一部が炎上。「配慮に欠ける」「ハラスメントか?」
外野からの物議を尻目に、菊川怜本人は素直に喜んでいた様子だ。既に、あの有吉事件から9年の歳月が流れ、菊川怜も大人になった。いじられることにも免疫力がついたことだろう。
毒舌が生んだあだ名事件ごときは、今となってはいい思い出だろう。当然、有吉弘行や加藤浩次らと和解しいい関係を築いたと聞く。
そりゃそうだ。そんなちっぽけなたわごとより、もっと真剣な一大事の渦中にある菊川怜なのだから。
神経を病んで便秘になったら、自身が宣伝したCMの酸化マグネシウムを飲んだかもしれない。
この便秘薬は非刺激性だから、お腹が痛くなりにくいし、くせになりにくいのだ。
でも旦那のせいで神経性の胃炎に苦しんでるかもしれない。可哀そうな菊川怜。
エピローグ
菊川怜がCMで説明する酸化マグネシウムの便秘薬は、確かにお腹が痛くならなかったと筆者自ら体験したので、良い薬だと太鼓判を押しておこう。
CM効果というのは、起用するタレントのスキルや信用性が大きくものをいうことがよく分かった。
菊川怜から受けるイメージは、東大卒のエリートという肩書がすっかり視聴者にも浸透し、彼女が言うことなら間違いないとすんなり受け入れる視聴者が殆どだろう。
しかし、好意的に持ち上げてくれる人ばかりだとは限らない。
毒舌で芸能界に生き残った有吉弘行は、そうしたひねくれものの一人だ。彼は出会う芸能人に片っ端からあだ名をつける。あだ名をつけられた側の本人は確かにショックだし、ムッとくるかもしれない。しかし、大方の芸能人はこの業界で生きるすべを知っている。いちいち目くじら立てていては生きてゆけないのだ。だから悔しくても笑って聞き流す。
だが菊川怜はお勉強は出来ても処世術は身に着けていなかった。こうしたいじりに対する免疫もなかっただろう。当初は有吉にあだ名をつけられ、怒り泣きもしたが、時間が経過してみれば何やらこの二人はいい感じの関係になりつつあったみたいだから人生はわからない。
エリート女子と持ち上げられ、誰一人敵がいなかった菊川怜だったが、毒舌有吉の暴言に対し成すすべもなかったのでる。おそらく彼女の人生において初めて現れた憎い奴。しかし、裏を返せば歯に衣着せぬ有吉の物言いに魅かれるものがあったのだろうか?
最終的には、菊川怜は前述の資産家男性と結婚したのだが、有吉弘行が彼女の初恋の相手だった可能性は大きいのである。
あだ名事件で、司会の加藤浩次が右往左往する必要はなかったかもしれない。有吉と菊川だけで解決していれば今頃は結婚相手が違っていた可能性もあるのだ。
もしも有吉と結婚していたならば、お腹が痛くなりにくい関係を築けたのかも知れない。